【論文】水素水1日1Lを48週飲み続けた軽度認知障害患者38名に起きた変化とは

2025年7月9日

※この記事は各研究機関が公式に発表している論文等のデータを基に配信しております。詳しくは「引用文献」をご参照ください。

 

内閣官房 認知症施策推進関係者会議らの公表しているデータによると、2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症になると予想されています。

実は、認知症と炎症は密接に関連しており、特にアルツハイマー病など神経変性疾患において脳内の炎症が病気の進行に大きく関与していることが判明してきていることをご存じでしょうか。

 

今回は、抗炎症作用で注目されている水素認知症との関連について軽度認知障害患者73名を対象にランダム検証された論文についてご紹介していきたいと思います!

 

認知症とは?[1]

認知症は、誰もがなり得る

「認知症」とは、様々な病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に変化し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障を来した状態をいいます。

65歳以上の高齢者を対象にした令和4年度(2022年度)の調査の推計では、認知症の人の割合は約12%、認知症の前段階と考えられている軽度認知障害(MCI※)の人の割合は約16%とされ、両方を合わせると、3人に1人が認知機能にかかわる症状があることになります。

 

「加齢によるもの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」の違い

年をとれば誰でも、思い出したいことがすぐに思い出せなかったり、新しいことを覚えるのが苦手になったりしますが、このような「加齢によるもの忘れ」と「認知症」は違います。

①「加齢によるもの忘れ」

  • 体験したことの一部を忘れる。例)朝ごはんを食べたことは覚えているがメニューが思い出せない。
  • もの忘れの自覚がある
  • 症状は極めて徐々にしか進行しない。

②「認知症によるもの忘れ」

  • 体験したことの全てを忘れている。例)朝ごはんを食べたこと自体を忘れている。
  • もの忘れの自覚がない(初期には自覚があることが少なくない)。
  • 症状は進行する。

 

水素水1日1Lを48週飲み続けた軽度認知障害患者38名を検証[2]

本記事は、オープンジャーナル科学誌2018年「Current Alzheimer Research」誌に掲載された論文「Effects of molecular hydrogen assessed by an animal model and a randomized clinical study on mild cognitive impairment. Curr Alzheimer Res. (2018)15(5)482-492 Nishimaki K, Asada T, Ohsawa I, Nakajima E, Ikejima C, Yokota T, Kamimura N, Ohta S.」を基に掲載しております。

 

どうやって効果を測定したか?

研究に参加したのは、「軽度認知障害(MCI)」と診断された73名の患者48週間にわたり、ランダム化二重盲検試験(自分が何を飲んでるかわからない状態)として以下の2グループに分け検証しました。

  • 水素水グループ(HW群:38人):1日1リットルの水素水(濃度0.8–1.3 ppm)48週間飲用
  • 通常グループ(対照群:35人):水素の含まれていない通常水を飲用

 

評価のポイントは以下です。

  • ADAS-cogスコア(Alzheimer’s Disease Assessment Scale–cognitive subscale)

     アルツハイマー病やMCIの重症度を評価する代表的指標

 

結果はどうだったか?

全体としては、水素水で明らかな改善効果は確認できなかったのですが、注目すべきは、「APOE4という遺伝子型」を持っている患者の方。

このAPOE4、実はアルツハイマーのリスクを高める遺伝子として知られており、本人も気づかないうちにリスクが高くなっていることがあるのです。

 

そんなAPOE4陽性の人に限ると、水素水を飲んだグループは、認知機能(ADAS-cog)が有意に改善!という結果に。

つまり、遺伝的にリスクがある人ほど、水素水の影響が現れやすいということかもしれません。

 

論文のデータは以下。

  • 全体群では有意差なし

    • 水素水群:ADAS-cog改善傾向あり(p=0.06)が、有意差は出ず

  • APOE4保有者に限定すると有意な改善が見られた

    • APOE4はアルツハイマー病の主要な遺伝リスク因子。

    • APOE4陽性MCI患者において、ADAS-cogスコアが有意に改善(p<0.05)

👉 結論:水素水は、特にAPOE4遺伝子を保有するMCI患者の認知機能改善に効果的である可能性

 

水素水グループが一部改善傾向が見られた理由について

論文内では、水素分子(H₂)は、ヒドロキシルラジカル(·OH)などの強力な酸化ストレス因子を中和することが知られている。

認知症の進行には酸化ストレスが関与しているとされ、水素は神経細胞の酸化損傷を抑えることで保護効果を示す可能性がある。と考察されました。

 

本論文を確認するうえでの注意点と今後の課題

この研究は、まだ“決定打”とは言えないかもしれませんが、少なくとも、

  • マウスでははっきりと記憶力改善効果が見られた(本論文では、同時にマウス実験とも比較された)

  • 人間でも「遺伝的リスクが高い方」には有望な効果が期待できそう

という、前向きな結果が出ています。

 

研究は、まだ途中過程であり、国の認証を得るなど正式に治療法として認められるには、まだまだ検証が必要とされる段階であると言えます。

あくまで、皆様の知識の中での一情報としてとらえていただくことをお願いいたします。

 

世界における水素医療の承認プロセスの現在地

アメリカ合衆国 →アメリカ食品医薬品局(FDA)

2025年現在、アメリカ食品医薬品局(FDA)による水素医療の承認プロセスは、主に以下の2つの方向で進展しています。

  • 臨床試験の進行[3] … FDAは、心停止後の脳障害(ECPR)患者に対する水素吸入療法の臨床試験に対し、前IND(Investigational New Drug)レビューで好意的な評価。成人健康ボランティアに最大72時間の水素吸入を行い、安全性が確認されています。これらの試験結果が良好であれば、将来的な承認に向けた重要なステップとなる可能性があります。 
  • 希少疾患に対するオーファンドラッグ指定[4] … 水素分子を用いた治療法が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療に対して、FDAからオーファンドラッグ指定を受けました。この指定は、希少疾患に対する治療法の開発を促進するためのもので、開発の加速や税制上の優遇措置などが提供されます。 

 

中国 → 国家食品医薬品局

中国では、2020年2月に水素・酸素混合ガス吸入器が国家Ⅲ類医療機器に認証され、実際にCOVID-19肺炎の治療にも採用されました。

先の章でもご紹介の通り、大規模臨床研究を国家レベルで支援、糖尿病、高血圧、がん補助療法をはじめ水素吸入試験が多く進行中です。

 

ヨーロッパ → EMA(欧州医薬品庁)

ヨーロッパにおける水素医療に関する承認プロセスは、現段階ではまだ「基礎研究中心」で、臨床応用には至っていません。

ヨーロッパでは、主にウェルネスや代替医療の分野で利用されているようですが、ウェルネス志向が進行しているヨーロッパにおいては、水素水の健康増進のための導入などに注目が集まっているようです。

 

その他地域における水素医療の市場

医療承認プロセスには至らずとも導入が進んでいる地域について、大手市場調査グループが報告したレポート情報はこちらをご覧ください。

 

 

水素吸入を試してみましょう

水素吸入を試せるスポットは多数

水素吸入は「水素吸入器」により、カニューラを通して直接肺から水素を摂取する方法です。

水素吸入をまずは試してみたいという方は、水素吸入を実施しているクリニックや医院、水素吸入ができる水素吸入サロン、販売店のお試しスペースなどがあります。

 

水素吸入サロン&カフェ 水素はうす+西院菜梵

「水素サロンはハードルが高いわぁ」という方には、コーヒーや高濃度水素水を飲用しながらでも水素吸入ができるカフェがとてもおすすめです。

水素吸入のご利用無しでも手軽に入れるカフェなどでしたら、水素に詳しいご主人のお話を聞きながら「はじめかた」のお話も聞けるかも。

「水素」に興味ある方のはじめる第一歩として、とても使いやすいお店です。

 

 

水素吸入のHOW TOが知りたい方に嬉しい記事

濃度(%)・量(cc)の考え方 – 初心者のための水素吸入ガイド【1】

吸入する時間・タイミング – 初心者のための水素吸入ガイド【2】

家庭用の水素吸入器をおすすめする理由と選び方 – 初心者のための水素吸入ガイド【3】

 

 

水素水と水素吸入の違い

摂取水素量: 5分=20リットルにあたる?【1】

主な摂取経路:経路の違いによりそれぞれ異なる強みがあり【2】

応用した摂取方法:水素風呂、水素ミストやアイマスク、水素ルームなど【3】

 

引用文献・関連記事

[1] 知っておきたい認知症の基本 | 政府広報オンライン

[2] Nishimaki K. et al. Effects of molecular hydrogen assessed by an animal model and a randomized clinical study on mild cognitive impairment. Curr Alzheimer Res. (2018)15(5)482-492

[3] Hydrogen’s Feasibility and Safety as a Therapy in ECPR | Clinical Research Trial Listing 

[4] Can Molecular Hydrogen Transform ALS Treatment? FDA Grants DiagnaMed Special Status

 

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