水素摂取、どの方法が良い?水素吸入・水素水・水素点滴による比較論文を紹介
2024年8月6日
2024年パリオリンピックでは、日本が一時メダル獲得数世界トップに君臨するなど、日本人の大活躍に国内中が大いに沸きあがりました。
そんな中、トヨタ自動車が開発した「水素で発電する燃料電池(FC)バイク」に積載された、キンキンに冷えたアイスクリームを観戦者らに配布するといった実証実験が行われるなど、未来の技術としての「水素」が生活に取り入れられる準備が刻々と進められているようです。
技術としての「水素」利用のみならず、医療分野でも水素の効果について日々研究が進められております。
その中でも注目されたのが水素ガス吸入療法の先進医療B指定でした。
2016年に先進医療Bに指定された「水素ガス吸入療法」は、慶應義塾大学医学部からの申請を受け厚生労働省が効果と安全性を期待し世界に先駆けて認証しましたが、その後コロナウイルス感染症拡大の影響により臨床試験の予定症例数を大きく下回るため中止基準に該当すると判断され、臨床治験が中止、2022年に「取り下げる」といった判断がなされました。
「水素ガス吸入療法」についての先進医療認定取り下げは、水素の安全性や効果が否定されたということではなく、追って2023年に提出された臨床治験の結果報告レポートは「水素吸入療法が院外心停止患者の救命および予後の改善に効果」と題され、「効果」と断言するに至っており、水素の効果に対する検証は期待されながら今なお着実に進められています。
(参照:水素吸入療法が院外心停止患者の救命および予後の改善に効果-全国の救急医療機関で実施した臨床試験結果報告- )
ただ、そんな「水素吸入」をはじめとした水素水や水素点滴など「水素」に関する摂取方法が多く提案されているため、果たしてどのような水素の摂取方法が良いのか、何をすればよいのか判断がしにくくなっているのも現実です。
そこで、今回は①水素吸入、②水素水の飲用、③水素点滴による酸化ストレスに対する水素の効果を検証した論文の結果をご紹介し、効果の違いについてご紹介したいと思います!
「水素吸入」「水素水の飲用」「水素点滴」の効果の違いは?
以下は、Journal of Inflammation Research(炎症に関する研究を取り扱う医学雑誌)に提出された論文『Protective Effect of Molecular Hydrogen Following Different Routes of Administration on D-Galactose-Induced Aging Mice』(直訳:D-ガラクトース誘導老化マウスに対する水素分子の保護効果)を参照しています。
検証の内容について
老化マウスに対し、それぞれ
- 水素吸入(4% H2 吸入 – 1日1回2時間投与)
- 水素水(H2 を豊富に含む水の飲用 – H 2濃度600 μmol/L を超える水を自由に飲用)
- 水素点滴(H2を豊富に含む生理食塩水注射 – 0.1 mL/10 g bw/日を1日1回腹腔内注射)
による投与がなされ、血漿中の老化関連バイオマーカーと各組織の酸化ストレスを測定。
結論
参照の論文では、『「水素吸入」が一部の組織(脳・心臓)では酸化ストレスを軽減する最も良い効果が得られたが「水素水の飲用」「水素点滴」もほとんどの指標で同じ効果が得られた』(1)と結論付けました。
さらに注目すべきポイントとして『「水素水の飲用」は「水素吸入」に比べてH2摂取量は減少していたがほとんどの指標で同じ効果が得られたこと』が挙げられており、『一定期間の「水素吸入」や「水素点滴」に比べ、「水素水の飲用」は断続的な水素供給源となり、効果を上げた』(2)とも言及されております。
水素の摂取においては「水素に接する時間の継続」も大事な要素であることが述べられています。
効果的な水素の摂取方法は『断続的に摂取できる』やり方に効果あり!
今回紹介した論文の結果からわかることは、最も効果を発揮したという意味では「水素吸入」が効果のある水素の摂取方法となりましたが、「水素水の飲用」「水素点滴」も同じ程度の効果が見込まれたとあります。
ポイントとしては「断続的に摂取」できることがあり、どのような方法が普段の生活リズムの中に水素を摂りこみやすいか、が効果を発揮するか否かを決める要素になるといえそうです。
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補足・参考資料
酸化ストレスとは?
酸化ストレスとは、「酸化反応により引き起こされる生体にとって有害な作用」のことで、活性酸素と抗酸化システム(抗酸化物質)、抗酸化酵素とのバランスとして定義されています。(参照:日本老化制御研究所)
酸化ストレスによる症状・病気
酸化ストレスが高い状態が続くと、私たちの体を構成する全てのDNAやたんぱく質、脂質、糖質が酸化されていきますが、現在ではさまざまな病気において、これらの酸化ストレスにより変化した分子が、蓄積していることがわかってきました。例えば糖尿病では、酸化された糖とたんぱく質が結合し、異常な糖化たんぱく質が増えていることがわかっています。また、動脈硬化を起こした血管では、酸化された脂質が蓄積し、血管の内腔が狭くなり、血液が流れにくくなっています。
さらに、アルツハイマー病やパーキンソン病など、高齢者に多い脳の病気でも、酸化したたんぱく質などが蓄積していますし、酸化ストレスによって細胞が損傷を受けると、その細胞はやがてがん化します。
このように、強い酸化ストレスにより酸化された生体内の分子は、さまざまな病気の原因となっている可能性があるのです。
(参照:健康長寿ネット)
引用文献
『Liu B et al. Protective Effect of Molecular Hydrogen Following Different Routes of Administration on D-Galactose-Induced Aging Mice. J Inflamm Res. 2021 Oct 27;14:5541-5550.』(直訳:D-ガラクトース誘導老化マウスに対する水素分子の保護効果)
※(1)『4%のH2吸入は脳内の過酸化脂質の蓄積を減少させた。H2吸入に比べ、H2-水の経口投与やH2-生理食塩水の腹腔内注射では、H2の摂取量が制限された。注目すべきは、H2ガス吸入に比べ、HRWによるH2摂取量は減少したものの、ほとんどの指標で同じ効果が得られた(原文:Among them, 4% H2 inhalation decreased the accumulation of lipid peroxides in the brain. Compared with H2 inhalation, oral H2-water and intraperitoneal injection of H2-saline resulted in limited H2 intake. )』
※(2)『注目すべきは、H2ガス吸入に比べ、HRWによるH2摂取量は減少したものの、ほとんどの指標で同じ効果が得られたことである。一定期間のH2吸入やHRS注入によるH2投与に比べ、HRW飲用は断続的なH2供給源となる。以前の報告では、断続的な水素ガス曝露が、ラットの6-ヒドロキシドーパミン誘発性パーキンソン病を予防することが明らかにされている。(原文:It is worth noting that although the amount of H2 taken up by HRW was reduced, compared to that of H2 gas inhalation, it resulted in the same efficacy in most indicators. Compared with a certain period of H2 inhalation or given amounts of H2 by HRS injection, drinking HRW leads an intermittent source of H2. A previous report revealed that intermittent hydrogen gas exposure could prevent 6-hydroxydopamine-induced Parkinson’s disease in rats.34 Additional research is required to further confirm the biological effects of H2 via different administration routes.)』
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