水素吸入と水素水の違い【2.主な摂取経路:経路の違いによりそれぞれ異なる強みがあり】
2024年12月13日
「水素」の美容・健康に関する情報を調べていくと「水素水の飲用」「水素吸入」のような摂取方法が良く出てきますが、手軽さの観点や導入のしやすさでは、いまでも「水素水」から導入される方が少なくないと思われます。
ただ、実際「水素水」を利用したユーザーの方も、あまりよくわからず摂取したという方が全体の6割というアンケート結果もあるほど、水素に関しては「とりあえず導入してみた」という方が多いのが現実のようです。[1]
そこで、今回は【1.摂取水素量】から引き続き、どのような摂取による違いがあるかについてご紹介していきたいと存じます!
前回【1.摂取水素量: 5分=20リットルにあたる?】
水素吸入は呼吸による摂取
水素吸入は肺から毛細血管へ取り込まれる
図:気管と肺,肺胞[引用元: [2]]
水素吸入の場合、水素は水素吸入器からカニューラを通して鼻から気管を通り肺に到達、肺胞から毛細血管へ水素が取り込まれます。
図:動脈と静脈[引用元: [3]]
肺から毛細血管に取り込まれた水素は、肺静脈→心臓→大動脈という経路を通り、脳や肝臓・小腸等の各組織へ摂取されていきます。
大動脈から頸動脈を通り脳へ伝達
例えば、まだヒトへの臨床は残念ながら研究段階のため進んでおりませんが、マウスモデルにおいて水素吸入が交感神経を司る脳に働いたと結論付ける論文結果があります。
大動脈から全身の細胞組織へ伝達
図1.(1)二量体IgA抗体と結合したバクテロイデスは腸上皮細胞にコロニーを形成する。(2)バクテロイデスが水素を産生する。(3) 産生した水素は腸上皮細胞内部で発生するヒドロキシルラジカルを消去し腸壁を酸化ストレスから守る。 (4) バクテロイデスのコロニーから発生する水素はフィルミクテスの代謝を活性化している可能性がある。(4) 余剰の水素は拡散し、その一部が血流に乗って全身を巡る。[引用元: [4]]
さらには毛細血管を通して全身の細胞組織へ伝達されるため、細胞内にある生命のエネルギーを算出するミトコンドリアがエネルギー産出時に副産物として発生させる、酸化ストレスの原因の一つとされるヒドロキシラジカルに水素が反応し無毒化することで、酸化ストレスを抑えるといった論文結果が多数公表されております。
酸化ストレスが高い状態が続くと、DNAをはじめとする体を構成するあらゆるタンパク質、脂質、糖質が酸化し、それを原因とするがんや糖尿病などの生活習慣病、動脈硬化、アルツハイマー病やパーキンソン病などの脳の病気、うつ病などの精神疾患や多くの疾病が関連していきます。
詳しくは、記事「水素吸入器をおすすめする理由~体のメカニズムに合わせた水素摂取の考え方」をご覧ください。
水素水は飲用による摂取
水素水は食道を通して胃腸から取り込まれる
図:食物や水の分解と吸収の過程[引用元: [5]]
水素水の場合、水素水を飲用し食道から胃→小腸→大腸といった具合に水素を含んだ水が伝達されていきます。
特に、胃壁や腸壁など直接接触するため、水素吸入よりも接触しやすい器官があることに注目です。
胃はグレリン等の成長ホルモンを分泌するなど重要な器官
グレリンは、主に胃から分泌されるホルモンです。グレリンは、特に脳(視床下部や下垂体など)や消化管、脂肪組織、心臓などに存在しているグレリン受容体と結合することでその作用を発揮します。以下は、その主な作用の例です。
- 成長ホルモンの分泌促進 … グレリン受容体は主に脳の下垂体に存在し、グレリンが結合すると成長ホルモンの分泌を促進します。これが、グレリンが成長ホルモン分泌促進物質として機能する理由です。
- 食欲の制御 … グレリンが視床下部のグレリン受容体に結合することで、食欲が刺激されます。これにより、空腹感が生じ、食事を取るように体に信号を送ります。
- エネルギーの調整 … グレリン受容体を介して、エネルギーの取り込みや消費、さらには脂肪の蓄積や代謝が調節されます。
- その他の作用 … グレリン受容体は、消化管の運動、血圧の調整、インスリン分泌の調節、さらには脳内での認知機能や記憶にも関与しているとされています。
水素水の飲用がグレリンの産生を誘導することでパーキンソン病の兆候をとめたという論文があり、胃を経由することでの利点が考えられます。
腸は第2の脳と呼ばれるほど大事な器官
約半世紀もの前に公表された論文に、水素ガスが腸内で産出されていることが発見されたものがあります。
水素産生菌とよばれ、スーパー善玉菌 – 水素産生菌 –とも称されるものですが、そういった善玉菌を増やし腸内環境を整えることで、体調そのものの状態をよくすることも期待されています。
詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
まとめ
水素吸入+水素水をバランスよくとることがベスト
よく、水素吸入の方が良い、水素水は水素吸収量が圧倒的に少ない、といった論評も目立ちますが、ひとえに言えない部分があるということもとても重要です。
ご紹介したように、消化器官系である胃腸では水素水の方が直接的に働き効果があるといった論文もあります。もちろん、水素吸入での体内への水素量はとても重要ですので、できるならば水素吸入+水素水をバランスよくとることがベストであると言えます。
最新の水素吸入器は専用ボトルで水素水生成もできる
水素水中の水素濃度は生成後の保管状態により減少したり、そもそも水素水とはいえない状態になることもあります。飲みたいときに飲める環境を整えることで摂取管理が取れるようになります。
また、水素の摂取は一時的ではまったく意味を成しませんので、生活の中に水素を取り入れるリズムをいれる「水素せいかつ」を習慣づけていくことが第一歩となります。
家庭用水素吸入器をおすすめする理由と選び方
水素はうすでは、生活の一部に水素を取り込むための記事も紹介しておりますので、ぜひ水素に興味がある方はご一読くださいませ。
引用文献
[1] 水素水飲用経験者は全体の20%程度も…。水素水に疑問?本当にただの水なの? 実際は「水素濃度1.2ppm程度」で、BMI低下、疲労や眠気、緊張感の軽減等に効果があるという論文が!(アットプレス) [2] 肺胞[はいほう]理科便覧ネットワーク [3] 血液と血管 – 三和書籍 [4] 『水素産生菌の見過ごされてきた恩恵』が学術誌Medical Gas Researchに掲載この記事に関連する#ハッシュタグ「#ハッシュタグ」ボタンをクリックすると関連記事を検索していただけます。
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