水素水が優れたパターン、水素吸入では得られなかった効果 – パーキンソン病に関する論文紹介
2024年11月15日
※この記事は各研究機関が公式に発表している論文等のデータを基に配信しております。詳しくは「引用文献」をご参照ください。
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水素はうすのコラム記事では、各種論文の結果に基づいて水素吸入が体内に水素を取り込むのに最もおすすめする摂取方法であるとご紹介してきました。
その内容に関して結論がずれることはありませんが、注目する症状などによっては「水素水」の方が注目すべき結果が得られたものがありました。
今回ご紹介する論文[1]では、結論の中に、この症状に関しては「吸入では効果がなく、」とあり、水素水による結果報告がなされておりますので、本日は「水素水」に注目してご紹介したいと思います!
水素水は胃のベータ1受容体活性化を介してグレリン産生を促進し、パーキンソン病モデルマウスのドパミン神経の脱落を軽減することを発見
千葉大学大学院医学研究院薬理学・中谷晴昭教授および九州大学生体防御医学研究所・客員准教授を兼ねる松本明郎准教授のグループらにより、かの有名な英国科学雑誌「Nature」のオンライン姉妹誌である「Scientific Reports」へ、2013年11月20日に気候された論文[1]です。
本報告は、九州大学大学院薬学研究院大学院薬学府の研究成果として公表されています。[2]
ただ、出てくる用語は専門的で、いったいどんなことを物語っているかが想像しにくいですので、頑張ってかみ砕いていきたいと思います!
グレリン・グレリン受容体とは?
グレリンは、主に胃から分泌されるホルモンです。グレリンは、特に脳(視床下部や下垂体など)や消化管、脂肪組織、心臓などに存在しているグレリン受容体と結合することでその作用を発揮します。以下は、その主な作用の例です。
- 成長ホルモンの分泌促進 … グレリン受容体は主に脳の下垂体に存在し、グレリンが結合すると成長ホルモンの分泌を促進します。これが、グレリンが成長ホルモン分泌促進物質として機能する理由です。
- 食欲の制御 … グレリンが視床下部のグレリン受容体に結合することで、食欲が刺激されます。これにより、空腹感が生じ、食事を取るように体に信号を送ります。
- エネルギーの調整 … グレリン受容体を介して、エネルギーの取り込みや消費、さらには脂肪の蓄積や代謝が調節されます。
- その他の作用 … グレリン受容体は、消化管の運動、血圧の調整、インスリン分泌の調節、さらには脳内での認知機能や記憶にも関与しているとされています。
経口水素水は胃でのグレリン遺伝子発現を誘導する
図2. H2水経口投与後の血漿グレリンレベル。マウス(16~21週、平均18.5週、n=5~10)に、図1と同様にH2水(または対照水)を1、2または4日間投与した。実験最終日、最後の摂取から4時間後に採血し、血漿中のグレリン濃度をELISAで定量した。パネルは雄マウスのデータである。グレリンレベルは、H2水を4日間摂取したマウス群でのみ有意に高かった。
本論文では、マグネシウムスティックで作られた水素水(0.8 ml/マウス)を1日1回、4日間投与しております。
上図を見ると、やはり1日の水素水摂取では何も変化が見られませんでしたが、4日にかけてグレリンが増加している様子がわかります。
一過性の摂取では何も変化が得られず、継続しての摂取により変化が現れることの裏付けにもなっているようです。
胃でのグレリン産生誘導⇒グレリン受容体の活性化がパーキンソン病モデルマウスのニューロン減少を有意に防止した
図4. MPTP誘発パーキンソン病モデルマウス(雄、8~12週、各群n=2~5)において、グレリン分泌阻害またはグレリン受容体拮抗薬は、H2水経口投与による神経保護効果をキャンセルした。飽和H2水は、材料と方法に記載されているように毎日作られた。(a): チロシン水酸化酵素(TH)染色は、生理食塩水を注射したマウス(i-iv)、D-Lys3 GHRP-6を注射したマウス(v-viii)、およびアテノロールを注射したマウス(ix-xii)の黒質pars compactaで行い、通常の水道水(対照)またはH2水を7日間供給した。D-Lys3 GHRP-6、アテノロール、または生理食塩水を7日間注射した後、MPTPを注射した(ii、iv、vi、viii、x、xii)。(b): 黒質組織におけるTHタンパク質のイムノブロット解析の概要(各群n = 3-6)と、その下に代表的なブロット画像を示した(各群2サンプル)。THのバンド強度は、同じサンプルのアクチンのバンドに対して正規化した。(p = 0.007, i vs. ii; 0.010, ii vs. iv; 0.004, vi vs. vii; # p = 0.043, iv vs. viii; 0.023, v vs. vi)。図中のデータは平均値±SEMで表した。(c): 黒質ドーパミン作動性ニューロンの立体解析のまとめ。MPTP注射はTH陽性ニューロンの有意な消失を引き起こしたが(ii)(** p = 0.0001, i vs. ii)、MPTP処理の7日前にH2水を飲むと、TH陽性細胞の消失が有意に抑制された(iv)(# p = 0.008, ii vs. iv)。D-Lys3 GHRP-6、成長ホルモン分泌促進受容体拮抗薬、またはβ1-アドレナリン受容体拮抗薬、アテノロールは、経口H2水(viiiおよびxii)の保存効果をキャンセルした(# p = 0.008; ii vs. iv; p = 0.003, iv vs. viii; p = 0.0003, iv vs. xii)。図中のデータは平均値±SEMで表した。データの統計的有意性は、一元配置分散分析(one-way ANOVA)、ベンフェローニ検定(Benferroni test)により評価した。
こちらも見るからに理解するのが困難な図ですが、簡潔に言うと、注意して水素水のみの結果を抽出するためにいろんな条件で実施し、結果を比較した内容の図表となっています。
こちらは、MPTP注射によってパーキンソン病を誘発させたマウスをモデルに、神経であるニューロンの減少量にどのような変化があったかを検査したものになります。
論文では、水素水の摂取によって胃においてグレリンの産出を誘発させた結果、グレリン受容体の動きを活発化させることができ、神経保護を誘導させることができた、という理論を結果から導き出しております。
ここで、ほかに重要とされているポイントは、受容体拮抗薬を併用したところ、水素水の有無にかかわらずニューロンの減少が起こってしまったというところです。
水素水によりグレリンの産出が活発になったとしても、それに対するグレリン受容体の動きが阻害されると、目覚ましい神経保護が起こらなかったということです。
水素水がグレリン×グレリン受容体の活動を活発化することに作用したことで、神経保護を誘導したという結果が、これまでの学説をより肯定するものになったのです。
まとめ
水素水の摂取により直接胃に働きかけたことが重要
九州大学ホームページに公表されている文章によると「胃において水素水はグレリンにシグナルを変換する事により脳に対して十分な強さの保護効果をもたらすことができると考えられ、吸入では効果がなく、腸管内での細菌由来の産生を増大させても効果がないというこれまでの報告にも矛盾しない結果が得られました。」とあります。
本論文での結果は、紛れもなく「水素水によるもの」というところに重要なポイントがありました。
水素吸入器には、付属品の専用ボトルと併用することで水素水生成ができるタイプのものがありますが、水素吸入のみならず水素水を摂取することが理にかなっているともいえる重要な根拠になるでしょう。
おすすめの水素吸入器
水素はうすでは様々な生活スタイルに合わせたタイプの、おすすめの水素吸入器を販売しております。[3]
どれくらいの濃度の水素水が生成されるかなどの検証動画[4]もありますので、ぜひ興味がある方はご覧ください。
引用文献・関連記事
[1] Matsumoto A et al. Oral ‘hydrogen water’ induces neuroprotective ghrelin secretion in mice. 2013 Nov 20 Scientific Report 3: 3273 [2] 水素水は胃のベータ1受容体活性化を介してグレリン産生を促進し,パーキンソン病モデルマウスのドパミン神経の脱落を軽減することを発見(研究成果 | 九州大学大学院薬学研究院大学院薬学府 薬学部) [3] 家庭用の水素吸入器をおすすめする理由と選び方 – 初心者のための水素吸入ガイド【3】 [4] 動画コラム | 水素はうす | 水素吸入器の魅力を伝えるこの記事に関連する#ハッシュタグ
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